(読みづらいかもしれませんが、会話形式のままです。
雰囲気を読み取っていただければ幸い)
+嘘も…+
寿々加「…は? みんなに置いていかれる夢?
そんなもん、しょっちゅう見るぞ?」
比奈伎「え?」
寿々加「何だよお前、そんな事で不安になってたのか?」
比奈伎「そうじゃないっ/// 俺じゃないんだ」
寿々加「ふうん、まあ誰でも良いけどよ」
比奈伎「お前は―――平気なのか?」
寿々加「…お前は、平気じゃないわけか」
比奈伎「だから、今は俺の話じゃない!」
寿々加「分かってる分かってる、そう怒るなよ。
―――じゃあ逆に聞くけどよ?」
比奈伎「?」
寿々加「お前、幸せな夢を見て、それで幸せか?」
比奈伎「…え?」
寿々加「幸せ一杯で、何も不自由が無く
思い通りの夢を見て、それで幸せか?」
比奈伎「…聞いている意味が、良く分からない」
寿々加「そのまんまだろ。どうなんだ?」
比奈伎「それは…嬉しい、だろう?」
寿々加「バーカ」
比奈伎「む。何だよ」
寿々加「【幸せ】が、夢で良いのかよ?」
比奈伎「……、…?」
寿々加「起きたら全てが幻、起きた時に全部忘れちまう、
そんなもんが幸せで良いのか?
起きてから、何だ、夢かって
がっかりするのが、お前の幸せなのか?」
比奈伎「……寿々加」
寿々加「もうちっと、ぽじてぃぶに考えろ。
悪夢なら悪夢で、ああ夢で良かった、で良いじゃねえか」
比奈伎「…ぽ、ぽ…じて……?」
寿々加「ぽじてぃぶ!」
比奈伎「…何語だ…」
寿々加「つまり、前向きに、って事だ!
お前も各務も佐久弥も、内に内に考えすぎなんだよ」
比奈伎「…! な、なんで」
寿々加「顔を見てれば分かる。さっき、佐久弥と各務と三人でいたしな。
おおかた、お前らのうち一人がそんな夢を見て、
三人で暗くなってたんだろ」
比奈伎「………」
寿々加「お、やっぱり当たりか。
(ふ、と笑って)
……あのなあ比奈伎。夢で良かっただろ、そんな悪夢。
夢でまで文句なしの幸せばかりだったら、
何が幸せなのか、忘れちまう。
だから夢『くらい』は、不幸だって良いじゃねえか。
―――と、あの二人にも、言っておけ」
比奈伎「…お前は…」
寿々加「ん? 何だ、惚れ直したか?」
比奈伎「なっ!? バ、バカを言うな!」
寿々加「そんな赤い顔で怒られても怖くない」
比奈伎「………っ」
寿々加「で?」
比奈伎「…?」
寿々加「『お前は』、何だ?」
比奈伎「………お前は。…お前は、時々、すごい」
寿々加「―――「時々」、かよ」
比奈伎「………「たまに」に、訂正するか?」
寿々加「そりゃないぜ〜比奈ぁ〜」
比奈伎「…各務は、大丈夫だろう…おそらくな」
寿々加「フウン?」
比奈伎「問題なのは―――…いや、何でもない」
寿々加「ハァ…なんでもない、っていうツラじゃねえときに限って、
『何でもない』だよな、お前は。
…なるほどな。お前、佐久弥が各務の分の闇まで、
全部一人で引き受けちまうんじゃないかって、
そう思ってるわけか」
比奈伎「…」
寿々加「簡単な事だろ。
各務のそばにアイツがついててやるなら、
そんなアイツのそばに、お前が居てやれば良いだけの事だ」
比奈伎「…でも俺は、朱音の傍にいるから…」
寿々加「ばーか。佐久弥も各務も、同じだろ。
…お前こそなあ。二人が泣けない分を引き受けて、泣くなよな?」
比奈伎「…!? な、泣いてない!」
寿々加「…(苦笑)
(…この、頑固者。本当は、誰よりも泣き虫なくせに―――)」
比奈伎「…寿々加、…朱音には、言うなよ」
寿々加「(苦笑)
(…バカだな。そんな事で朱音は笑ったりなんか絶対にしない。
そんな事は、お前が一番良く分かっているはずだろう)
―――? どこ行くんだ?」
比奈伎「何処でも良いだろう」
寿々加「(くっくっ)、あの二人によろしくな〜(後ろ手をひらひら〜)」
比奈伎「―――フン///」
寿々加「(比奈伎が去ってから)
くっくっ…。…やれやれ。何だかんだ言ってあいつらも若いよなー
って、ははっ、俺がまるで年寄りみてーじゃねーか(笑)
あーあ、こういう役目は、本当なら俺の分担じゃねえよなあ。
なぁ、千波流、お頭!」
朱音 「―――(苦笑)さすがに、聡いな、寿々加」
千波流「しかし、良い言葉だったぞ寿々加。たまにはお前もやるもんだな」
寿々加「千波流、一言多いんだよ!」
千波流「何だよ、褒めてるぞ?(可笑しそうに」
寿々加「ったく。
しっかし…あの三人…要らん事ではぺらぺらと口が回るくせに、
こういう肝心な時は、まるっきりだからなあ…」
朱音 「(苦笑)比奈伎は、その立場ゆえだが、各務と佐久弥はな。
…器用すぎて、不器用なのさ」
千波流「…やれやれ、難儀な性格だな」
朱音 「その器用さに、救われている部分も多いがな―――
…しまった、一番甘え癖が治らないのは、この私か(笑)」
寿々加「はははっ、お頭がみんなに甘えなくなっちまったら、
鬼火一族じゃなくなっちまうぞ。
朱音はせいぜい、甘えまくってやりゃ良いんだよ。
あいつら、そうしてくれた方が嬉しいんだからな」
朱音 「(笑って)…寿々加」
寿々加「うん?」
朱音 「―――すまないな」
比奈伎「ははは、お頭、やっぱりアンタ、比奈伎の姉貴だよなあ」
朱音 「?」
寿々加「ちっちっ、そこは、『すまない』って言う所じゃ、ないぜ?」
朱音 「…。(…くすくす)そうか、そうだな。寿々加。…ありがとう」
千波流「それにしても…お前がそんな夢を見ていたなんて、知らなかったぞ」
寿々加「そりゃそうだろ。見たことねえもん」
千波流「…はあ?」
寿々加「良く言うだろ! 『嘘も、方便』、ってな!!(にかっ」
朱音 「―――は、は…はははは!! 本当に大した男だな!!」
終。
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