+熱+









―――後日。





「寿々加、大した事がなくて何よりだったな」
「お頭! 迷惑かけました」
「そんな事は良い、お前がこうして元気になってくれたんだから。
 比奈伎、私にも茶を淹れてくれるか?」
「ああ。じゃあ、湯を替えてくる」
「すまないな」


静かにふすまを閉め、遠ざかっていく比奈伎の足音を何となく耳で追う。
同じように視線ごと比奈伎を追っていたお頭が、
くるり、とこちらを振り向いた。


「さて…と」


気のせいか。


…否。
…気のせいじゃない。


空気が、ぴりり…と音を立てて緊張したのが分かった。
朱音…否、お頭は、変わらず微笑んだままだ。
微笑んだままだ…が。


「寿々加」


思わず、布団の中で正座をしたくなった。


「…はい」
「私の比奈伎に、あまり無理はさせないように」
「…………………」


聞こえてたのか?
いやそりゃ聞こえてただろうけど。


ていうかお頭!!


「…ツッコミどころは、そこなのか!?」









今度こそおわり。



●戻●