1. 目覚めるとそこは別世界だった。 全て同じ。 全て変わらずそこにあるというのに。 一度部屋を出れば 「各務、お前いつもより起きるの遅いべ?」 迎える言葉だけが何処かいつもと違う世界。 我は夢でも見ているのだろうか。 試しに頬を抓ってみる。 ……痛い。 やっぱり此処は夢じゃないらしい。 目の前では頬を抓った我を不思議に思って佐久弥が首を傾げている。 「どげんした?」 「い、いや…」 慌てて顔を横に向ける。 否、…否!これが現実であっていいものか! 「おかしな各務」 影で佐久弥が笑っている。 …いや、笑いたいのは寧ろこっちの方ぞ? 何故お前はその様に妙な言葉遣いになっているのだ。 「と、と、…所でお頭は?」 「あぁ…お頭なら、きっとどこぞを散歩してるに違いないべさ」 今日は天気がいいからねぇ。 目の前の相手の言ってる言葉の一つ一つに妙な訛りがあるのが何処かおかしい。 …まずい。 このまま此処に居ては我の思考が可笑しくなりそうだ。 我は早々にその場を去り、お頭を探してその場を足早に去る。 後には可笑しそうに笑う佐久弥の笑いだけが残った。 |
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